オヤジたちでダンスを創る

 学会やら学期末に向けた業務で忙しいのに、合間をぬってあるオヤジグループのひとたちとダンスを創っている。建築設計士だったり、オペラでも歌う歌手だったり、小さな会社の社長だったり、作曲家だったり、サラリーマンだったりみな忙しいのに集まるなんてみんな好きなんだなあ。

というのは、実は2年前に京都芸術センター主催の「ダンスフォーオール」という催しで、オヤジグループで踊ったダンスを見ていた人から地方の劇場の9月に開かれる演劇祭でこのグループで踊らないかと、JCDNというNPO法人から招待されたからなのだ。2年前に踊ったものの再演かと思って気安く引き受けたのだが、舞台もずっと狭いのに、上演時間は3倍くらいなので、そのときの振り付けをした山田珠美さんのアドバイスは受けるものの、殆ど一から自分たちで創っていかなくてはならないと分かった。

コンテンポラリーダンスはかなり見ているし、ワークショップとはいえかなりの数のものに参加しているので、これは是非やりたいと思って始めたのだが、たちまち困難にぶちあたった。このブログでもかなり書いたが、観客としてダンスを観ているときは、ひとつひとつの動きを追い、それらをつないで全体としての意味やコンセプトを考える。

したがってダンスを創るとしたら、それを逆にたどり、まずコンセプトを決め、それを成り立たせるような構成を考え、個々の振り付けを考えればいいのだろうと思っていた。

しかしいざ初めてみると、まずコンセプト自体がメンバーそれぞれによって違い、共通点もあるが、全員同意できるようなものは決まらない。ぼく自身は震災後という現状を受けて、「破壊と再生」とか「自由と拘束」「労働とダンス」などいくつか提案したのだが、賛同は得られない。

週一回集まりやっていることは、具体的な動きでどのようなものが可能かを、年配のひとりのメンバーが子供の頃やっていた遊びを全員で演じてみて、そこから踊りを創れないかとやり始めたところである。

そんな中、メンバーの一人が参加した「コンドルズ合宿ワークショップ発表公演 三条一間」(ARTComplex1928にて)を観た。1時間10分ほどの演劇とダンスを組み合わせたもので、ホテルに合宿したとはいえ、実質3日間でゼロから全員で創り上げたという舞台は見事であった。

アフタートークのときに「テーマはなんだったんですか?」という観客からの質問に近藤良平さんは「勢いですね」と答えて爆笑を誘っていた。発表前日の夜ようやく振り付けができたものの、発表当日にもまた振り付けを変えて練習していたという。「とにかく創っていこう」という勢いがテーマだというのは本当なのだろう。

具体的な動きから創っていってそれから構成を組み立てていったことが観ていてもわかった。それをこの公演を観ていて気付いたのは、他とまったく動きの違ううまい踊り手が一人いたのだが、他の人の踊りがつまらないかというとそうではないのだ。コンドルズがテレビドラマのために振り付けた「てっぱんダンス」と同じく、下手は下手なりに面白いのだ。ぼくらの創りつつあるダンスにもかなりのヒントと勇気をもらったと思った。(2011年6月28日。番場 寛)

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