ゴールデン・ウィークにコンタクト・インプロヴィゼーションに参加してー「第20回、京都国際ダンスワークショップフェスティバル」

ゴールデン・ウィークから先週まで綱渡り的な忙しさだった。この時期5月1日から一日の休みを除き9回のコンテンポラリーダンスの国際ワークショップがあり、例年のように参加したからだ。授業や会議とできるだけぶつからないようなクラスを選んだが、それでも金曜日は2限と4限の授業の間に昼食をとり着替えてレッスンを半分だけ受け再び大学に戻り授業をした。

それだけではなく、同じこの時期、静岡で「ふじの国 国際演劇祭」があり、それに2回行き、その内の二日は、ダンスのレッスンを一日休み一泊して劇を観たのだった。その演劇祭の劇評のコンクールを募集していたのでいままでその原稿にかかりきりでこのブログを更新することができなかった。

さて、今回お知らせしたいのは、今年受けたノアム・カルメリ(イスラエル)のコンタクト・インプロヴィゼーションのレッスンについてである。コンタクトとは二人で体の一部を接触されたまま即興で動きを創っていくダンスだが、レッスンでは一人で踊ることから始まり、他人と踊る場面と組み合わせた。

春先にも5回ほど坂本公成さんと森裕子さんのコンタクトのレッスンを受けていたが、そのとき、筋肉痛はあるのに不思議と体が軽くとても調子のいいのに気づき、今回もある本質的なことを学ぶためと同事に固まってしまった体をほぐすためという二つの理由で参加した。

今回学んだ本質的なこととは一つは体の動かしかたである。昨年までのいろいろなワークショップでまなんだのは、人の体を動かすのは、言葉によって喚起された想像力だということだ。そしてつねに体の軸を意識して踊るよう教えられてきた。

今回のノアムの教えは自分にとって本当に新鮮だったことは、彼は、人の体を動かすのに筋肉を収縮させそれで体の一部を直接動かそうとするのではなく、手や脚で床を押すことによりその反作用で動かすようにすることである。

もう一つは、毎回水が半分くらい入ったペットボトル倒し、床を転がしながら説明したように、人間の体の殆どは水分なので、自分の内部の水分を重力にまかせて動くようにし、動きが自然に伝わっていくようにするようにということであった。

レッスンは床に寝そべったまま各自、自由に動くことから始まり、次第に立っていき、最後は近くに居る人と組み合って踊るというか動きをつくっていくことだった。

今回だけではなく、コンタクトで毎回学ぶことだが、予め決まった振付を踊るわけではなく、誰と組むということも含めて、他人と体を接触させ動くことの難しさとそれがうまくいったときの喜びを感じた。

考えてみれば、われわれはいかに家族や恋人を除いていかに他人と体を接する機会の少ないことだろう。電車内でも常に緊張している。それがコンタクトでは意識的に接触しなければいけないのだ。

女性に対しては勿論のこと、男性に対しても体を接するときには緊張する。こちらの緊張が伝わるのだろう。近くに居てもなかなか組んでくれる人がいる一方、こちらが緊張する間もなくごく自然に体を密着させてくれる人もいる。

言葉を使わないので、まずあなたを受け入れますというよう心を開くことが必要なのだ。

他の人にも尋ねたが、難しいのは二人で踊るときのバリエーションが次第になくなっていき同じ動きを繰り返すような気がしてくることだ。でも考えてみれば無理もないのかもしれない。

常に体を接触させてはいるが、相手の正面には背を合わせるという風に、正面同士重ならないようにするため、動きは制限されるからだ。

それぞれ踊った相手は思い出として残ることだろう。近くで見たらまるで高校生に見えた若いアメリカ人の女の子。相手を背中に乗せるリフトのとき、こうやるんだ、着地はもっとソフトにと踊りながら教えてくれたアメリカ人の女性はダンスの先生だった。Tanz mit mit mir!(わたしと踊って)と書かれたTシャツを来ていた僕くらいの年配の男性がいたので話しかけたフランス人だった。どうも女性とのコンタクトは躊躇するのだがフランスではどうするのだと尋ねたところ、彼は直接行くだけだと答えたので二人で笑った。そして今回も、もっと英語を勉強しなければと思ったのだった。

アメリカでもドイツでもその他の国々でコンタクトは盛んだと聞く。日常的にがちがちに他人との接触を禁じられた生活から、つかの間解放されるコンタクトをあなたも踊ってみませんか?(2015年5月19日。番場 寛)

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