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青海省のチベット語放送にまた出ました

青海省のテレビ局「青海电视台藏语综合频道(མཚོ་སྔོན་བོད་སྐད་བརྙན་འཕྲིན་ཁང་)」の「実録(དངོས་བྲིས་)」というドキュメンタリー番組に出演しました。4月6日に放送されました。

ネット上で見ることができます↓

http://www.qhtb.cn/qhtv/xzh/2015/04-07/18990.html

「チベットの文化に向き合う外国人(བོད་ཀྱི་རིག་གནས་ལ་ཕྱོགས་པའི་ཕྱི་གླིང་བ་)」というテーマのもと、青海省にいる/いた(私の場合、今は日本ですから「いた」)外国人の勉強風景やインタビュー、さらにその外国人の先生に対するインタビューから構成されています。

チベット医学を学ぶ人、チベット語によるコメディーを学び、実際に出演経験のある人、そして私の3人が紹介されています。

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インタビューの中で私は、チベット語を勉強するきっかけからはじまり、チベット語のなかでも、今なぜアムド語(青海省の大部分で用いられているチベット語)を勉強しているのかについて話しました。

インタビューの撮影は今年の1月7日。かなり寒い日だったので、裏地が人工羊毛になっているチベット服を着ています。

勉強しているシーンは青海民族大学の図書館での撮影です。

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私の後に登場しているのは、青海省滞在時たいへんお世話になった青海民族大学のグンガ(ཀུན་དགའ་)先生です。私のことについてコメントしてくれました。

青海省のチベット語放送に出演しました

青海省のテレビ局「青海电视台藏语综合频道(མཚོ་སྔོན་བོད་སྐད་བརྙན་འཕྲིན་ཁང་)」のインタビュー番組「ランタク(གླེང་སྟགས་)」に出演しました。30分程度の番組です。2014年の大晦日に撮影して、今年の1月29日に放送されました。

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おもに、チベットの文化を学ぶことになったきっかけや、今とりくんでいるポン教高僧伝研究の意義を話しました。

ネット上で見ることができますので、以下にリンクを貼っておきます。

http://www.qhtb.cn/qhtv/lt/2015/01-30/15995.html

講演会+映画上映 チベット文学と映画製作の現在:作家がなぜ映画を撮るのか

大谷大学国際文化学科では、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所との共催で、現代チベットを代表する小説家で映画監督でもあるペマ・ツェテン氏をお招きし、チベットの文学と映画の現状についてお話を伺うとともに、氏の出世作で、チベットの僧院を舞台にした映画『静かなるマニ石』を上映します。現代チベット文化を牽引する氏の声を聞き、その作品を見ることのできるまたとない機会です。チベットの文化や社会を理解するとともに、文学と映像の交差する場とその可能性について考えてみませんか。

入場無料・事前申込不要

  • 日時:2013年12月5日(木)17時~20時(開場16時30分)
  • 会場:大谷大学響流館3F メディアホール
  • プログラム
    1. ペマ・ツェテン氏講演・・・・・・17時~18時
      • Q&Aコーナー ペマ・ツェテン氏、サンジェ・ジャンツォ氏(プロデューサー)
    2. 『静かなるマニ石』上映・・・・・・18時~20時

※講演はチベット語(通訳あり)
※『静かなるマニ石』は日本語字幕

講師について:

講師のペマ・ツェテン氏は、1969年生まれ。中国青海省海南チベット族自治州ティカ県(貴徳県)出身。大学在学中に小説家デビュー。チベット語、漢語の両方で作品を執筆し、数多くの文学賞を受賞するなど、高い評価を受けている。10年ほど前から映画制作を始める。その作品は、チベットの人びとの生活に深く迫り、それを丁寧に描き出す作風で、海外でも高い評価を受けており、最新作『オールド・ドッグ』は、2011年第12回東京フィルメックスのコンペティションで最優秀作品賞を受賞しています。

上映作品「静かなるマニ石」について:

2005年の作品。ペマ・ツェテン氏の出世作ともいえる初の長編映画。現代チベットの仏教寺院のありさま--僧侶の生活や寺院と人びとのかかわり--が生き生きと描写されており、変わりつつあるチベットの「今」を知ることのできる作品。また、作品の随所に、布施を徹底するために自身の目玉まで布施した王子「ティメー・クンデン」の歌舞劇が挿入されており、興味深い。第24回バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー賞、第10回釜山国際映画祭ニューカレント特別賞など、数多くの賞を受賞。

チベット料理を作った

先日、チベット文化ゼミの学生、大学院生、チベット人留学生とともに、チベット料理を作った。

今回作ったのはチベット風蒸し餃子「ツォマ(ཚོད་མ་)」と、以前このBlogでも紹介した面料理「テントゥク(འཐེན་ཐུག་)」だ。

チベット人留学生の指導のもと、まずは、小麦粉をよくこねて「ツォマ」の皮と「テントゥク」の面の生地作り。「ツォマ」の皮の生地は餡を包みやすくするために柔らかめに作り、一方の「テントゥク」の面の生地は少し固めに作る。

それぞれの生地を寝かしている間に、「ツォマ」の餡作り。

今回は、肉の餡とジャガイモの餡を作った。肉の餡は、牛のひき肉に、刻みネギと、茹でた大根おろしを混ぜ合わせ、少量の油、塩・醤油・花椒で味付けする。ジャガイモの餡は、ジャガイモを細切りにして、刻みネギ、油、塩等で味付けする。

同時に「テントゥク」のスープ作り。牛肉(今回はカレー用を使用)をよく炒めた上でさらにズッキーニ(瓜の代用)を加えて炒め、水を加えて茹でると、いいダシがでる。塩・醤油・花椒を加え味付けする。

そうしているうちに、寝かしていた生地はつるつるの肌になる。「ツォマ」用の生地を小さく切り、丸めて、伸ばして円形の皮を作る(この円形の皮を作るのが難しい。中心は厚く、周囲は薄く作らないといけない)。餡の包み方は2種類。1つは中国の小籠包のような形に包む方法。もう一つは、ネズミの形に包む方法。チベット留学生によると、このネズミの形に包む方法の方が簡単だとのことだが、今回初めて「ツォマ」作りに挑む学生たちは四苦八苦。形はどうあれ、とにかく包み上がったものを蒸し器に入れて、蒸してゆく。

「ツォマ」を蒸している間に、「テントゥク」のスープに面を入れる。面用の生地を薄く伸ばし、細く切り、それを引き伸ばしながら、親指の爪ほどの大きさにちぎって、スープに入れてゆく。この、面を引き伸ばしながらちぎってゆく作業、面が指に引っ付いてうまくちぎれないため、なかなかスムーズにいかないものなのだが、学生たちは初めてにもかかわらず、スムーズにこの作業をこなしていた。面を全て入れると、トマト、チンゲン菜を加え、火が通るまで煮れば出来上がり。

テントゥクの面をちぎって鍋に入れる。

テントゥクの面をちぎって鍋に入れる。

2時間ほどで完成する予定が、結局倍の4時間かかった。

ツォマ

ツォマ

テントゥク

テントゥク

学生曰く「思ったより食べることができた」。本や写真でしか見たことないので、正直どんな味のものなのか、不安だったようです。こうして作って食べ、感じることで、その地域の文化に対する理解が深まったようです。チベット人留学生とも交流でき、学生にとって有意義な時間を過ごせたようで、終了後「とても楽しかったです。また集まれるといいですね」とのメールをもらいました。

集まってくれたみなさん、特に、調理のほとんどを切り盛りしてくれたチベット人留学生に感謝します。ありがとう。おいしかったです。

[三宅 伸一郎]

チベット料理・テントゥク

チベット料理が食べたくなったので、ポピュラーなチベット料理「テントゥク(འཐེན་ཐུག་)」を作った。

テントゥクは面類の一種で、肉と野菜のスープに、親指の爪ぐらいの大きさに小さくちぎった面が入っている。テントゥクの「テン」は「引っ張る」という意味で、長く平たく伸ばした面を、さらに引っ張りながら小さくちぎってゆくのでこの名があるようだ。

今回作ったのは、東北チベット・アムド地方のとある農村風のもので、具は豚肉とジャガイモ、ネギ。味付けは塩のみ。食べる際に唐辛子や黒酢入れてもおいしい。具は、別に決まっているわけでなく、肉は羊肉でもヤクの肉でもいいし、野菜はその土地でその季節に採れるものを使えばよい。街の食堂では、トマトやチンゲンサイなどがふんだんに入ったものを食べることができる。[三宅伸一郎]

ゾルゲ・ダチェン・ゴンパ

東北チベット・アムドに行ってきました。

今回の旅の目的は、四川省北部のゾルゲという街から80キロほど行ったところにあるダチェン・ゴンパ(མདའ་ཆེན་དགོན་པ་ mDa’ chen dgon pa)というポン教のお寺を訪れることでした。

このお寺は、キャントゥル=ナムカ・ギェルチェン(སྐྱང་སྤྲུལ་ནམ་མཁའ་རྒྱལ་མཚན་ sKyang sprul Nam mkha’ rgyal mtshan, 1770-1832)という、ポン教の偉大な学者にして行者で、「カンド・サンチュー(མཁའ་འགྲོ་གསང་གཅོད་ mkha’ ‘gro gsang gcod)」という「チュー(གཅོད་ gcod、空を実感するために、自身の身体を切り刻み、それを餓鬼などに布施すると瞑想する修行)」の修行システムや「イーダム・クンドゥー(ཡིད་དམ་ཀུན་འདུས་)」という、すべての本尊を瞑想の中で現出させる修行法をまとめた方が住持した寺です。

ゾルゲは、標高3400メートル、広大な草原の広がる遊牧民たちの世界ですが、お寺のある場所はそのゾルゲの街から谷を下って行った森林地帯。標高は2600から2700メートルぐらいでしょうか。たいへん静かな、美しいところでした。(三宅伸一郎)

青海蔵文化博物館

西寧郊外に「青海蔵文化博物館(མཚོ་སྔོན་བོད་ཀྱི་རིག་གནས་རྟེན་མཛོད་གླིང་)」というチベット文化に関する巨大な博物館があります。蔵医院でお灸をすえられた後、青海チベット医薬研究所の研究員であるタクブムジャ氏の案内で、青海民族大学で日本語を教えている大谷大学出身の吉田環さんとともに、この博物館を見学させてもらいました。

青海蔵文化博物館(以前訪問した際に撮影したものです。外見は変わっていませんでしたが、展示品はさらに充実していました)

2006年に開館したこの博物館、実は以前にも訪問したことがあります。その時は、チベット医学の紹介がメインでしたが、今年から、チベットの生活文化や文字に関する内容が充実し、バージョンアップされていました。

いくつもの貴重な展示品がありますが、まずなにより紹介しなければならないのは、長さが618メートル、画面が1500平方メートルもあり、ギネス・ブックにも登録されているという世界最大のタンカ(掛け軸・絵画)です(これは、以前訪問した時から展示されていました)。その内容は、『カーラチャクラ・タントラ』や『倶舎論』に説かれる世界生成の物語にはじまり、チベットの歴史やポン教・仏教各宗派の歴代高僧侶や神がみ、マンダラ、さらには民話の登場人物にいたるまで多岐にわたり、まさにチベット・イコノグラフィーの百科事典とでもいうべきものです。じっくり観てゆくと、まる一日はかかるのではないかと思うほど長大です。うねうねとまがりくねった通路に沿って展示されているので、チベット・イコノグラフィーの世界に迷い込むこと間違いなしです。

チベット医学の根本聖典『ギューシ(四部医典)』の巨大な写本(伝統技術を用い近年新たに作成されたもの)や、古文献、さまざまな書体の見本、絨毯、皮で作られたお椀や各地域の民族衣装など、どれも興味深いものばかりでした。

そんな中でも、個人的に最も興味を引かれたのが、馬具・甲冑・武器などの展示でした。比較的大きな部屋一室全体が、それらの展示に充てられていました。中央には甲冑を着けた騎馬武者像が展示してありました。

チベットの英雄叙事詩「ケサル王物語」を読んでいてなかなかイメージがつかみにくいものの一つが、馬具・甲冑・武器です。ここには、多種多様な馬具・甲冑・武器が一同に展示されており、それらをじっくり観察することによって、物語での描写を細部までイメージすることが容易になります。実物の持つ力は大きなものです。

2006年にニューヨークのメトロポリタン美術館で「Warriors of the Himalayas: Rediscovering the Arms and Armor of Tibet」という博覧会がおこなわれ、その図録が出版されていおり、2008年夏に同美術館を訪問した際には、小規模ながらチベットの甲冑がいくつか展示されていました。ただ、常設のようではありませんでした。常設でこれだけの規模の展示がおこなわれているという意味で、極めて貴重な場であると思います。

残念ながら、博物館の展示品全体に対するカタログや図録はありませんでした。チベット文化の未来のためにも、ぜひ作成してほしいと思いました。

(三宅 伸一郎)