カテゴリー別アーカイブ: 韓国・朝鮮

ロジャー・シェパード写真展『JUST KOREA ― 朝鮮半島の山々は連なる』

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韓国・朝鮮文化ゼミ主催イベントのお知らせです。

ロジャー・シェパード写真展『JUST KOREA ― 朝鮮半島の山々は連なる』

写真展
会期:2016年9月20日(火)~9月30日(金)  ※9月25日(日)は休館
時間:9:00~20:00 ※最終日9月30日(金)は18:00まで。
場所:大谷大学 響流(こうる)館1階ギャラリー (京都市営地下鉄北大路駅6番出口)
備考:入場無料

オープニングセレモニー ※写真家によるギャラリートークあり。
日時:9月20日(火)11:30~  場所:大谷大学 響流館 1階ギャラリー

講演会
写真家ロジャー・シェパード 「私が出会った「朝鮮」の人々」 ※逐次通訳あり
日時:2016年9月22日(木・祝)  15:30~17:00   開場15:00
場所:大谷大学 響流館3階メディアホール
備考:入場無料(事前申し込み不要)

主催:大谷大学韓国・朝鮮文化ゼミ  協賛:大谷大学文学部国際文化学科
連絡先:鄭祐宗(ちょん・うぢょん)
TEL/FAX  075-411-8269   Email: jongi@res.otani.ac.jp

※大谷大学WEBページ

http://www.otani.ac.jp/news/nab3mq000004mei6.html
※ロジャー・シェパードWEBページ
ハイクコリア

http://www.hikekorea.com/
ワンコリアフォトグラフィー

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ロジャー・シェパードさんは韓国のバラエティー番組にも出演されている有名人だそうです。写真もさることながら、どんなお話をされるのか、講演会も楽しみです!(9月8日:渡邊温子)

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端午の節句

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この写真を見て、すぐに香包(匂い袋)と答えたあなた、かなりの中国通です!(笑)

5月5日端午の節句ですが、中国では旧暦でおこなわれるため、2016年は6月9日が端午节(端午の節句)でした。このお祭りはもともと、中国楚代の政治家が人望を集めていたにも関わらず失脚して川に身を投げたため、民衆がちまきを川に投げ込んで、魚がその遺体を食べるのを止めようとしたのが始まりだそうです。

なのでこの時期、中国では粽子(ちまき)を食べたり、龍の形をしたボートで競争して川の水をばしゃばしゃ攪拌したりします。

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中国のちまきは種類が豊富!棗(なつめ)をいれた甘いものから肉を入れたものまで様々です。李青先生も、毎年笹の葉を買って、お手製の粽子を作られるそうです!その他、菖蒲や上の写真のような匂い袋をかけて邪気を払います。

一方、韓国・朝鮮ではで端午の節句は단오(タノ)と言います。喜多先生に聞いてみたところ、その日は菖蒲をつけた水で行水したり、髪の毛にまいたりするそうです。で、それが済んだら今度は、みんなでおでかけ!なぜかというと、外出は口実がないとできないし、特に女性は普段気軽に外出できなかったので、端午の節句は一つのいい口実だったようです。それも女の人たちはブランコをして遊んだそうです。韓国のロミジュリ的作品、李氏朝鮮時代の説話を書いた『春香伝』の最初のシーンで、主人公の春香がブランコを漕いでいたところ、端午の節句でお出かけした夢龍と出会うという場面が、まさに韓国の端午の節句ですね。

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興味の出た人は、CLAMPの『新春香伝』(白水社、2002年)を読んでみましょう。

日本でも端午の節句には菖蒲湯に入ったり、柏餅を食べたりしますよね。ただ、この日が子どもの日になったのは、菖蒲(しょうぶ)尚武(しょうぶ)の音をかけてだそうで、そこから勇ましい飾りをして男の子の誕生と成長を祝う意味も加わっていったようです。それがすすんで子どもの日になったんですね。ちなみに、韓国も5月5日は子どもの日だそうですが、その日は子どもたちがプレゼントをもらえるという素敵な日だそうです!いいなあ〜。

東北チベットのアムド地域でも端午の節句をお祝いします。家の門に柳や木の枝を挿し、ジャマルという花を飾ります。ジャマルはちょうどこの時期、草原いっぱいに咲き乱れるそうです。

ジェルマ

こちらがジャマル。夏の写真なので、残念ながら花は咲き終わっています。

らマリチャ

この日飾る花は本来何でもいいそうですがこの写真で咲いているラマリチャという花だけは飾らないそうです。なぜかというと、お釈迦さまが亡くなられたときにこの花だけが咲いたので、縁起が悪いんだとか。

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そしてちまきではなくて、ニラ入りのツォマ(蒸し餃子)を食べます。元々チベットでは米はほとんど食べらず、麦が主食でした。なのでちまきの代わりにツォマを食べるんでしょうね(ニラと菖蒲の葉っぱは似てる気がするけど、これは関係ないかな?)。国や地域が変われば、端午の節句も変わるもんですね〜。

以上、各国の端午の節句事情でした。皆さんはどこのスタイルで、端午の節句を祝いましたか?(6月10日:渡邊温子)

オカザキ・プレイ ワールドミュージックフェスタ

気候も春らしい暖かい日が続いて、桜も徐々に散り始めましたね。この週末は岡崎別院で行われた「オカザキ・プレイ ワールドミュージックフェスタ」のワークショップに参加してきました。

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インドゼミ、韓国・朝鮮ゼミ、チベットゼミ、中国ゼミの協力を得て、国際文化学科の現代アジアコース各国の民族衣装の着付けを行いました。

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まずは自分が異文化体験を!ということで、韓国のチマチョゴリに身を包んだインド出身のショバ先生が着付けを担当しました!

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色鮮やかなアジアの服に目を惹かれて、たくさんの方が足を立ち止めてくれました。小学生や海外の方など、いろんな人が民族衣装を着て楽しんでくれました。中でも、普段滅多に着る機会のないインドのサリーは人気がありました。

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会場では、岡崎別院周辺にある飲食店が屋台を出店して、美味しいご飯がいただけました。中でもドイツソーセージはとってもボリューミーで美味しかったです!

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近いようで実際にはなかなか訪れることのできないアジアの国々の文化を、少しでも体験してもらえたと思います。今後もいろいろと面白いイベントを開催していきますよ〜!(4月11日:渡邊温子)

卒業式に想う

3月18日は大谷大学の卒業式。2015年度卒業証書並びに学位記授与式が挙行されました。4年間の大学生活を終えて、社会へと巣立っていく皆さんの輝かしい顔を見て、私の心も晴れ晴れとしました。

「本当は卒業しないでー、と言いたいですが、それは言えないので、いつでも学校に遊びに戻って来てください」

と喜多先生が学位記・証書・ 履修単位通知書等配付おっしゃっておられましたが、学生さんを送り出す先生方の心も、喜びと寂しさが入り交じった、我が子を送り出す親のような心境だったと思います。

卒業は人生の一つの区切りではありますが、これが終わりではありません。

”Today is the first day of the rest of your life”(Charles Dederich)

フレッシュな気持ちを忘れずに、常に新しい目をもって日々の生活を送って欲しいと思います。

ブログ

みなさん、いつでも遊びにきてくださいね!

(2016年3月19日:渡邊温子)

韓国/朝鮮の映画をみよう!

새해 복 많이 받으세요 あけましておめでとうございます!

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韓国といえば、焼き肉、キムチ、韓流スター!・・・いえいえ、それだけではありません! 韓流だけじゃ物足りないあなたに! 文学が好きなあなたに!映画史に関心のあるあなたに! 朝鮮半島の現代史に関心のあるあなたに、年明け最初のイベントのお知らせです!

2016年1月14(木)〜16日(土)響流館3階メディアホールにて、グローバルスクエアの主催で、韓国/朝鮮の映画が上映されます。上映作品は、以下の3作品です。

『森浦(サンポ)へ行く道』(1975年、大韓民国) 1月14日(木)18:00〜

『ある女学生の日記』(2006年、朝鮮民主主義人民共和国)15日(金)18:00〜

『われらの歪んだ英雄』(1992年、大韓民国)16日(土)13:00〜

それぞれどんな作品かと言いますと・・・

삼포 가는 길  森浦へ行く道

韓国を代表する作家・の文学を原作にした作品。話の登場人物は三人。刑務所から出所したばかりの男性が自身の故郷であるに戻る途中、無職の一人の男性と、酒場から逃げ出した一人の女性と出会い、旅路をともにするロードムービー。女一人と男二人で旅をするという枠組みは、『鯨とり』や『こんにちは、神様』などにも反復して登場し、韓国映画の王道のひとつとなった。本作品は、韓国映画史の巨匠の一人・監督の代表作であり、韓国映画史に欠くことの出来ない作品である。

한 녀학생의 일기   ある女学生の日記  

朝鮮民主主義人民共和国で2006年に制作され、翌年にフランスのカンヌ国際映画祭で上映された作品。研究者の父をもつ少女スリョンは、土の匂いのする田舎の家に暮らす。彼女は大学進学を控え、進路に悩んでいた。妹のスオギはサッカー選手を目指す家族のムードメーカー的存在。ある日、母が癌をわずらっていることがわかるが、父は研究を優先させようとする。そんな父に次第に嫌悪感をいだくようになるスリョン。本作品は、実在した日記をもとに女学生の日常の生活感を描いた。日本での公開は2013年で、にいがた国際映画祭や第七藝術劇場などで上映された。

우리들의 일그러진 영웅  われらの歪んだ英雄

韓国を代表する作家・の文学を原作にした作品。時代背景となるのは1959年。ソウルから田舎の小学校へ転校してきたハン・ビョンテは、級長オム・ソクテがまるでのように君臨するクラスのなかであらゆる抵抗をしようともがく。あることをきっかけにビョンテはソクテの側近になることを選択し、むしろそこにある種の心地よさを感じるようになる。だが、大統領退陣の年である1960年。ソクテの「治世」に終焉が訪れる。韓国の当時の政治状況を風刺するかのような内容であり、学園ドラマとしてだけでなく、韓国現代史の側面から見ても、非常に見ごたえのある作品である。

と、それぞれ家族学園をテーマにした映画です。

朝鮮民主主義共和国、いわゆる北朝鮮の映画も見れる、貴重なチャンスです!もちろん日本語字幕付きですし、作品解説もあるので、作品が作られた背景を理解した上で観れば、よりいっそう楽しめること間違いなしです!韓国/朝鮮の映画、是非観に行きましょう!

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(↑韓国かき氷『パッピンス』♡)

(2016年1月10日:渡邊温子)

国際文化の底力みせちゃいな祭

11月13日(金)~15日(日)は大谷大学紫明祭「谷大の底力みせちゃいな祭」でした。国際文化でも模擬店や舞台に参加しましたので、学祭の模様をレポートします!

今年はアジアから、インド、韓国、チベット、中国ゼミが模擬店に出店しました!

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インドゼミはチキンカレーとチャイを販売しました。チキンカレーは唐辛子で辛さ調整可能!お子様でも大丈夫ですね。スパイスのきいたカレーと甘~いチャイの組み合わせが最高でした。

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そしてインドゼミは、なんとなんと、同窓会から最優秀賞模擬店として表彰されました!やったね

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韓国朝鮮ゼミはトッポギを販売しました。トッポギとは、うるち米のお餅を甘辛く炒め煮したものですが、お餅だけかと思いきや、下にはラーメンの麺が入っており、なかなかボリューミーでした。韓国では麺の入ったものをラーメンの「ラ」をとって、ラッポッキというそうです。お味もなかなか辛くて、本格的なトッポギが味わえました。特に土曜日は雨降りで肌寒かったので、体が温まりましたよ!

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チベットゼミはチベット風肉まんを販売しました。土曜日は販売数が少なくてすぐに完売してしまったため、日曜日は販売個数を増やしましたが、それでも午後には完売しました。手作りのジューシーな肉まん、とっても美味しかったです!

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中国ゼミは中国北京のお菓子と、陶器で作ったかわいいペンダントを販売しました。私もおもわずドライフルーツを3種類全部買ってしまいました!土曜日に様子を見に行った時は「売れな~い」と弱気な言葉が聞こえましたが、日曜日の午後に行くと「ほとんど売れました~」と明るい笑顔が見えました。土曜は雨だったので、お客さんも立ち寄り難かったかもしれませんね。

そしてそして、日曜日のお昼は、韓国朝鮮文化ゼミとインド文化研究会による舞台発表がありました。

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韓国朝鮮文化ゼミからは1, 2年生を中心にサムルノリを演奏しました!サムル(四物)とは4つの打楽器を意味しており、小さな鐘のケンガリ、銅鑼のようなジン、鼓のような形をしたチャング、そして低い音で迫力のあるプクを打ち鳴らします。白のパジチョゴリの上に黒のトゴリという上着を着ての登場でした。

楽器の種類と衣装の色は陰陽五行説によるものです。チャンゴは2面たたくので、5種類の音を奏でることになり、衣装の色はそれぞれ、青(東、春)、赤(南、夏)、白(西、秋)、黒(北、冬)黄(中央、土用)を表しています。この5つの要素で宇宙が構成されていることを表しているんです。
サムルノリはもともと秋の収穫を祝うために、農村で演奏されてきたそうです。季節もぴったりですね。

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大人数で演奏すると迫力がありました。しかし、個人的には後ろで看板を振っていた人に目線が奪われました(笑)韓国朝鮮文化ゼミ、今後の活躍にも期待です!

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続いてインド文化研究会による、西インド・オディシャー州の古典舞踊オディッシーと、フォークダンスが披露されました。舞台が濡れていたため、途中すっ転ぶかと思いましたが、なんとか無事終わりました。最初のオディッシージャガンナータというオディシャーの神様にささげられる曲です。当日は男性の学生さんが神様役を演じました。

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二曲目はオディシャー州の伝統的なフォークダンス、ランガバティーです。男性と女性がペアになって、可愛らしく踊ります。オディッシーを踊る団体は日本でもいろいろありますが、男女でフォークダンスをやっているのは、実は大谷大学くらいしかありません!

そんなこんなで、今年の学祭は楽しく終わりました。天気の悪い中でしたが、十分国際文化の底力を見せれたのではないでしょうか?

(渡邊温子:11月17日)

日・中・韓 国際共同制作作品『演劇「祝/言』(作・演出 長谷川孝治)を観て 

11月30日に3つのクラスの補講を済ませ、3時6分初の新幹線で東京に向かった。翌日9時から始まる「日本ラカン協会」の研究発表会に間に合わせるためだが、今回は、それ以上に関心のあるものが多すぎた。当日ぎりぎり「にしすがも創造舎」へ着いたのは、6時を少し回っていたが劇の開始には間に合った。

イギリスのフォースド・エンターティンメントという劇団の「The coming Storm-嵐がきた」という劇を観た。最初語り手が演劇の物語の作られ方を説明した後、メンバーが次々と虚実混ぜた物語を始めるが、他のメンバーがそれにちょっかいを出し、中断させられる。

いわば物語り、演じる行為そのものを問題とするメタシアターの一つであり、次々と生み出されては壊されていく物語りが演じられていくのを観るのは、それはそれで楽しかったが方法が分かると飽きてしまったのも事実である。

感動したのは、翌日の研究会の昼休みと総会の間を利用して新国立劇場小劇場で観た、『演劇「祝/言」』という作品である。

どうしたことか、まだ残る感動を言葉で伝えたいと思うのに粗筋が思い出せないというより、殆どストーリーを気にすることなく引き込まれていたのだ。自分は何に陶酔していたのだろうか? それは主に、韓国、アンサンブル・シナウィーの民族楽器、それに日本の津軽三味線と、ピアノの奏でる音楽と歌(イ・ボングンの声が本当にすごい)、それに中国人のダンサーのコンテンポラリーダンスと、日本人の日本舞踊が劇に挿入された作品のうねりに視覚と聴覚が飲み込まれて陶酔したからだ。

2011年の震災で、生き残った自分の心をどう整理しようかと自問する中国人が東北にもどり、知人と再会する。一方日本人の息子が韓国人と結婚することで近親者が集まりそこで父親が祝言を述べるという設定で、そこに知人の中国人も集まるという設定である。

今月京都芸術センターで観た「冨士山アネット」が韓国人ダンサーと制作した「何で踊っているんですか?」という作品を始め、やたら日・韓国共同制作の舞台作品を目にする(金沢21世紀美術館で開催されている「ONE DAY, MAY BE いつか、きっと」は日韓英共同制作である)。

ニュースや新聞で知る限りにおいては、日本と中国と韓国との関係は冷え切っているという以上の悪い関係だということだが現実はどうなのであろう? まるでそうした政治的現実に危機を感じているかのように舞台制作の現場では、交流がなされている。

中国語も韓国・朝鮮語もぼくは殆ど知らない。この「祝/言」を観てまず驚いたのは、中国語も韓国・朝鮮語もこんなに音として美しい言葉だったのかということである。まるで音楽のように、囁きかけてくる。スクリーンに映し出される翻訳の言葉が美しいせいだけではないと気づいた。

つまりぼくが普段耳にするそれらの外国語はテレビで流される言葉であり、政治家やアナウンサーが政府の主張、それも大抵日本を非難する言葉を発しているのを聞く機会だけだからだと気づいた。

息子の結婚式に集まった3国の参列者たちを前に父親は、作品のタイトルにもなっている「祝言」を述べる。

「・・・わたしは中国と韓国は陸で続いているが、日本は海で隔てられていると思っていました。しかしそうではないのです。海で繋がっているのです。それよりこの空です。空はいつも繋がっているのです。鳥が飛んでもぶつかることはありません・・・」

ここに覚えているところをそっくりではないだろうが書き出しても聴いたときの感動を伝えることはできない。演劇や小説で本当に伝えたいことはそのままの言葉では伝えられないとずっと思っていた。だからこの作品を観て本当に驚いた。どうしてこれほどメッセージをそのままストレートに表した台詞に感動させられるのだろう?

国家間の利害関係や暴力に対し芸術は殆ど無力だし、震災に対しても完全に無力だ。しかしその「無力さ」という言葉の前には「殆ど」がつくことを忘れてはならない。現実がどんなに悲惨だとしても芸術はその「殆ど」に、かすかに残る現実への働きかけの可能性を、その無力さの自覚とともに探るものであってほしい。

「祝/言」という言葉の「祝」と「言」の間にあるスラッシュの意味を考えなければならないだろう。いまだ3.11の傷から癒えていないわれわれにとってそのスラッシュは、心に突き刺さる棘であり、それを意識し続けることをこのタイトルは要求しているのだと思う。

劇の最後は中央に青空とも海とも思わせる青い空間に真っ赤な舟が一艘斜めに浮かんでいるのを真上からみた光景で終わっている。津波で流されて一艘だけ海を漂っている舟にも見える。あの舟はいったい誰を乗せて行くのだろう?

残念ながら韓国と日本の公演は終わってしまい、一月の北京・蓬蒿劇場の公演を残すだけになってしまった。機会のある方は是非ご覧になってください。(2013年12月4日。番場 寛)